「美味しいケーキの食べ方」
「いただきまぁす♪」
目の前に並ぶ二つのケーキ…甘い生クリームがたっぷりかかった極上のショートケーキ。
ニクスとエリカの二人は、暑い最中家へ帰ってきての至福のデザートタイムを満喫していた。
エリカは今時の女の子らしく甘いものに目がない。
ニクスが甘さを持て余している内に全て平らげてしまった。
「ニクス、甘いもの苦手だったっけ?」
「いや…そういうわけじゃ無いんだけど…さすがに、量がなぁ」
そう言って、フォークで生クリームを突付く。
「男の人ってあんまり甘いもの好きじゃないよね〜」
「……俺的に、美味いケーキの食べ方ってのがあるんだけど…」
「…何それ?」
「知りたい?」
「…そんな言い方されれば、誰だって気になる…」
いぶかしむ様に覗き込んで来るエリカに視線を返し、ニクスはにやりと笑った。
「じゃあ教えてやるよ」
ニクスは指で生クリームをすくうと、きょとんとしているエリカの唇に乗せた。
「…え?」
「それじゃ、イタダキマス」
おもむろにエリカを抱き寄せ唇付ける。
彼女の唇に付いたクリームを舐め取り、咄嗟に閉じられた口を舌で強引に割り、口内に侵入させる。
逃げるエリカの舌を器用に絡め取って蹂躙する。
「…んんッ…」
「…」
唐突なディープキスにニクスの袖を握るエリカの手は微かに震えていたが、ニクスは構う事無く彼女の衣服を脱がし始める。
「ッ!…いやぁ、なにす…」
首を振り、キスから逃れたエリカの非難の声は再びニクスの唇に塞がれ遮られてしまう。
そのままソファに押し倒される形になる。
ニクスはキスをしたまま彼女の服を器用に脱がしていく。
衣服の前を開け、下着をずり上げて外す。エリカの胸の膨らみが露わになる。
ようやくエリカをキスから開放したニクスは再びクリームをすくいあげ、今度は露わになった彼女の胸の中心へ飾った。
「ッ…!」
冷たい生クリームの今までに無い感触に、思わず過剰な反応を示してしまう。
ニクスはクリームごと口に含み、舌の上で転がしながらその甘さを堪能する。
「やぁんッ…」
エリカの身体は、ニクスに与えられる快楽に素直に反応するようになっていた。
調子に乗ったニクスは、更に彼女の身体にクリームを塗りたくり、舐め上げていく。
ニクスの舌で拭い切れなかったクリームがエリカの体温で溶け、彼女の身体を伝い落ちていく。
「ぁッ…」
そのクリームの軌跡でさえ、彼女を堕としていくには充分だった。
「も、もう…もうわかったから、やめてッ…」
「駄目。まだこんなに残ってんだろ?」
ニクスの責めは徐々にエリカの下半身へ移行し、指で彼女の秘部を弄り始める。
「なぁ、ココでこんなもん食った事無いだろ?…試してみるか?」
「や、やだッ…いやッ…」
「はは、冗談だって」
言いながら、濡れ始めた彼女の中心に軽く唇付ける。
「はぁ…んッ」
「ココに入って良いの、俺だけだもんな」
ニクスの指技に、エリカの秘部が卑猥な水音を立て始める。
その音が彼女の耳まで届くようにわざと激しく掻き回す。
「ひぁッ…ああぁぁぁッ…」
エリカは首を激しく振り、音を聞くまいと理性を飛ばすまいと必死に耐える。
しかし、ニクスの指が1本、2本と侵入してくる毎に彼女の理性は崩壊していく。
ニクスは指を曲げたり出し入れを繰り返しながら彼女の弱点を的確に突いていく。
「ぃ、やぁ…はぁッ…あぁ、んッ…」
「可愛いな、エリカは」
「や…も、もぅッ…」
「イかせてやるよ」
ニクスは意地悪な笑みを浮かべると唐突に最深部まで、一気に指を突き上げた。
「やああぁぁぁぁんッ!!」
ニクスの行為にエリカは腰が浮くほどの反応を示す。
「…ニ、ク…ス…」
保つだけで精一杯の意識の中で、エリカは愛しい男の名前を呼んだ。
途端に、糸の切れた人形の様にくたっと手折れてしまう。
「…え…?」
エリカはあまりの快楽に、意識を失うまでに理性を飛ばしてしまったのだった。
「嘘だろ…俺、まだ入れてねぇのに…マジかよ…」
ニクスの本番はこれからだった様だが、エリカの意識は無い。
「そんなに気持ち良かったか?…まぁそれなら良いか…」
ニクスはくったりとなったエリカの身体を胸に抱き、ソファに座りなおす。
「…はぁ…そんなにするつもりじゃなかったんだけどなぁ…またやっちまった…くそ」
「…ス…」
「エリカ?」
か細いエリカの声が、ニクスの胸元から聞こえる。
未だに意識は無いが、彼女は寝言の様になにかを呟いている。
「エリカ、何て…」
「…ニクス……だい、すき…」
「…!」
失った意識の中にあっても、エリカは伝えたい言葉を口にした。
「…エリカ、俺もだ」
彼女の頬を伝う涙を拭い、ニクスもエリカの耳元でそう囁いた。
END